中国出身で、子供の頃から「世界中を旅する」という夢を持っていました。19歳の時、四川省成都から自転車で3000kmを走り、チベットと青海湖を横断する挑戦をしました。この経験が、夢への決意をさらに強め、各国で働き、生活する挑戦の始まりとなりました。アメリカと南アフリカでの仕事を通じて、多文化に触れ、それぞれの「夢」に対する考え方を学びました。アメリカで働いていた時に初めて日本人の友達ができ、日本文化とその真剣な姿勢に惹かれました。その後、日本の大学に三年次編入し、卒業後は合羽橋の包丁店を経営。多くの欧米のお客様を担当しながら、和包丁の海外市場における独自のノウハウを築きました。コロナ禍では、次男の誕生も重なり、生活が非常に困難になりましたが、そんな時にアレンと出会いました。彼と未来への共通のビジョンを持つことで、夢を実現する軌道に乗せることができました。
私の師匠は四国の包丁職人で、4代目の伝統を継ぐ方です。包丁についての知識と技術はすべて師匠から教わりました。包丁の種類、鍛造、焼き入れ、焼き戻し、研ぎ、仕上げ、柄付け、銘切まで、一本の包丁が完成するまでには多くの職人の力が結集されています。この継承された技術や精神、そして職人の考え方に深く感銘を受け、「この魅力を世界に伝えたい」と強く思うようになりました。海外のお客様に包丁について語ると、日本文化に対する関心が高まり、さらに知りたいという声を多くいただきます。この瞬間が、私にとって喜びであり、大きなやりがいです。
2020年、アレンと出会い、一緒にブランド「MUSASHI」を立ち上げました。日本の伝統工芸品と文化をさらに広めるため、アレンとともにTAIMATSU株式会社を設立しました。現在はプロダクト部門の総責任者として、日本各地の職人との繋がりを活かし、伝統工芸品や新しい店舗の開発を担当しています。
「心、常に道を離れず」。これは日本の伝説的な剣豪、宮本武蔵の言葉です。この精神を包丁作りに込め、職人たちは一本一本に魂を込めて、最高品質を追求しています。長年の経験と技術、そして情熱が、私たちのものづくりを支えています。